春の会 2016 報告

3月26日の土曜日は暖かいお天気に恵まれ、プリンストンのマリオットホテルで開かれた第12周年の春の会に、約120名の会員とゲストの方が参加されました。

美味しいランチの後、高橋三枝子先生と生徒さんの山賀ももさんによる春らしい日本舞踊を楽しみました。

その後和田雪子先生の指揮で、可愛い子どものコーラスを皆さんと手拍子して応援しました。

真鍋さんのご指 導の下での手作りの和菓子は、春らしい生け花とともに美しく配膳されて、心のこもった和菓子を食べられて最高でした。

初めての試みのビンゴゲームでは、賞 品を目当てに皆さん真剣そのもの。競争で、盛り上がりました。

今回の会のハイライトは、東日本大震災の一番被害の大きかった石巻から招待した大学生2名(阿部君と沼津さん)のご挨拶とPJA秘書の山川さんによるPJAがなぜ、石巻のぐるぐる応援団を支援するようになった背景の説明のプレゼンでした。

災害は思いがけないときに起こります。私も25年前に、カルフォルニアのオークランドの丘のアパートに住んでいたとき大火事に襲われ1晩で、家財道具(家具、服、写真、娘の教科書、書類すべて)失いました。約3000件の家とアパートが全焼, 死者25名、けが人150名でした。赤十字は、数日以内に、2万 円くらいの援助金を支給してくれましたが、焼け石に水で当座着る洋服だけで使いきってしまいました。火災保険がなくて困っていたとき実際に助けてくれたの は家族と友人でした。友達が古着や靴を寄付してくれたのは本当に嬉しかったです。しばらくは姉の家の居間に娘と寝泊りしました。漸く、別のアパートを見つ けて引っ越したときは娘の高校の友人のお母さんたちが中古の家具から、中古の食器まで寄付してアパートにもって来てくれました。とてもありがたかったで す。狭くても我が家はいいものです。そのときに、初めて他人のお世話になることを経験しました。

東北の方は多分近くのお友達もご家族もみな、災害にあって相互援助も出来なく特に大変だったと思います。5年も経つとほとんど震災の話もメディアで取り上げられないので、表面的にはもう問題はなくみえるかもしれませんが、まったく大違いで実際はまだ、仮設の住宅に住むのを強いられている人々が石巻では8割近いのです。新築の建物はお値段が高すぎるからです。仮設住宅は、せいぜい1-2年持つように作られているのに5年 もすんでいるので、隙間風もはいり、好ましくありません。このような困難な状態で、自ら被災者の阿部君と沼津さんが、子どもたちの遊ぶところを提供して、ボラ ンテイアをしているのを聞くと、心が温まり、「人がなぜ生きるか」について考えさせられます。復興しつつある東日本の将来を担う若い学生さんが頼もしいで す。私たちにとっては、大切な「出張講演」になりました。

現在のPJAの力では、長期留学など企画できませんが、今回の春休みの利用の短期間のプリンストン訪問で、お二人が経験されたことを帰国してから石巻の人々とシェアして、勇気つけてくださればとおもいます。3枚の色紙に、春の会の参加者全員が石巻の方へのメッセージをかきました。私たちのメッセージと復興のお祈りが来週にでも太平洋を渡って石巻に届きます。大震災以降のご支援をどうもありがとうございました。

プリンストン日本人会

会長 青柳和子